第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:口演発表

一般口演 歯牙・歯髄・歯周組織1

2023年9月17日(日) 14:20 〜 15:10 E会場 (441講義室(4号館4F))

座長:岡田 裕之(日大松戸歯 組織)

14:20 〜 14:30

[O2-E-PM1-01] 転移学習を用いた人工知能による小臼歯および大臼歯の歯種鑑別

〇五十嵐 由里子1、金子 美泉2、内木場 文男2、近藤 信太郎1 (1. 日大松戸歯、2. 日大 理工)

キーワード:歯種鑑別、人工知能、臼歯

【目的】人工知能(AI)を歯科医学および人類学に応用するための基礎研究として,下顎小臼歯と下顎大臼歯を鑑別するAIモデルを構築した。 【材料と方法】(実験1)大学生(男性8名,女性8名)の上下顎歯列石膏模型を用い、下顎左右側の第一大臼歯,第二大臼歯について、単独の歯の石膏模型を作成し、隣接歯を含まない咬合面画像を作成した。ImageNetの左右差のある画像を利用して予備学習されたVGG16 を用いて転移学習を行い,隠れ層21を含むCNNを用い、アーキテクチャとしてVGG、学習方法としてAdaptive momentを用いた。(実験2)実物の歯(10本)を用い,下顎左右側の第一小臼歯,第二小臼歯について,下顎左右側の第一大臼歯,第二大臼歯の単独の歯の石膏模型画像を利用して予備学習されたモデルを用いて転移学習を行い,隠れ層21を含むCNNを用い、アーキテクチャとしてVGG、学習方法としてAdaptive momentを用いた。撮影方向を変えて実験を行い,鑑別精度の比較を行った。 【結果と考察】(実験1)鑑別結果は,下顎大臼歯が一致率(ACR) 27.75%,左右を問わない一致率(ATCR) 84.72%となり,左右差のない画像を利用した転移学習の結果と変わらなかった。(実験2)鑑別結果は,最も高精度の場合(舌側60°からの撮影), ACR72.84%, ATCR84.31%となり,撮影方向を変えることによって精度を向上させることができた。 【COI】なし。