The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (121講義室)

[P1-2-04] Rab44 Deficiency Induces Impaired Immune Responses to Nickel Allergy

〇Mayuko Noguromi1,2, Yu Yamaguchi2, Keiko Sato1, Shun Oyakawa2, Takayuki Tsukuba2, Tomoko Kadowaki1 (1. Dept Front Oral Sci, Nagasaki Univ Grad Sch Biomed Sci, 2. Dept Dent Pharmacol, Nagasaki Univ Grad Sch Biomed Sci)

Keywords:アレルギー、炎症応答、Gタンパク質

【目的】歯科治療では,金属は重要な材料であるが、これが原因で生じるアレルギー性病変も問題となっている。金属アレルギーを制御するためには、その免疫学的機序や発症メカニズムを理解する必要がある。Rabタンパク質は細胞内小胞輸送を制御する分子スイッチとして機能し、ヒトでは約70種類が同定されている。このうち特殊な構造を有する高分子型Rabタンパク質であるRab44は免疫系の細胞や組織に多く存在することから種々の免疫応答に関与すると考えられている。本研究ではRab44の金属アレルギーにおける役割を調べた。
【方法】C57BL/6野生型マウスとRab44ノックアウト(KO)マウスを使って実験的金属アレルギー誘導実験を行った。また、同マウスから得られた骨髄細胞のニッケル(Ni)感受性試験、ヒト単球性白血病細胞株THP-1を用いた分化誘導実験を行った。
【結果】Niで感作したマウスに、低濃度Ni水溶液を飲ませ、Niアレルギーマウスモデルを作製した。野生型マウスでは背部・腹部に顕著な脱毛が見られたが、Rab44 KOマウスではこれが認められなかった。このとき野生型マウスでは顆粒球数、単球割合が上昇したが、Rab44 KOマウスではみられなかった。Ni投与による耳介腫脹も、Rab44 KOマウスは野生型マウスに比べて有意に抑制されていた。さらに、Rab44 KOマクロファージは野生型に比べてNi感受性が低く、傷害を受けにくいことが分かった。THP-1をM1、M2マクロファージに分化誘導すると、マーカー分子の発現に先行して、Rab44の一過性発現上昇がみられた。
【結論】Rab44は炎症応答における細胞分化やサイトカイン産生に関与し、金属アレルギー発症や増悪に寄与することがわかった。
会員外共同研究者:長崎大・院医歯薬・歯科補綴・村田比呂司