The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (121講義室)

[P1-2-35] Klebsiella mannose phosphotransferase system is an intestinal colonization factor

〇Suguru Miki1,2, Haruka Fukamachi1, Momoe Itsumi1, Hirobumi Morisaki1, Mie Kurosawa1, Hirotaka Kuwata1 (1. Dept Oral Microbiol Immunol, Showa Univ Sch Dent, 2. Div Endodontol, Showa Univ Sch Dent)

Keywords:Klebsiella、ホスホトランスフェラーゼシステム、腸管定着

 Klebsiella 属細菌は通性嫌気性グラム陰性桿菌で、鼻腔粘膜や口腔の常在菌である。近年、口腔内に存在するKlebsiellaが腸管内に異所性に定着し大腸でTh1細胞の過剰な活性化を引き起こすことが報告されたが、腸管内への定着機序や免疫調節機構は不明である。Klebsiellaが腸管に定着する際には、利用可能な栄養素に対し常在細菌と競合すると考えられる。そこで我々はKlebsiellaの糖利用能に着目し腸管定着への影響を解析した。腸管粘液に由来する13の単糖をそれぞれ唯一の炭素源として添加した最少培地でKlebsiella quasipneumoniae ATCC 700603 (Kq)を培養したところ、マンノース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミンを利用な可能なことが明らかとなったそこで今回は、マンノースの取込みに関わるホスホトランスフェラーゼシステム (ManXYZ) に着目し解析を進めることとした。KqmanXYZ遺伝子欠損株 (ΔmanXYZ) をテトラサイクリン耐性遺伝子との相同組換えにより作製し、最少培地を用いて糖利用能を調べた。その結果、ΔmanXYZがマンノースとグルコサミンを利用できた。次に野生株とΔmanXYZをマウスに経口的に感染させ、腸管への定着能を調べた。感染後の糞便中のそれぞれの菌数を比較したところ、野生株が経日的に優位となり、腸管定着能はΔmanXYZで低下することが明らかになった。さらにKqの免疫調節能を調べるために野生株感染群とΔmanXYZ感染群のマウスを使用し大腸の粘膜固有層リンパ球をフローサイトメトリーで解析した。その結果、野生株感染群とΔmanXYZ感染群でTh1,Th17誘導に有意差は認められなかった。
 以上の結果から、ManXYZはマンノースとグルコサミンを取り込むPTSであり、腸管定着に関与するビルレンス因子である可能性が示唆された。