[P1-2-41] 線維性異形成症モデルマウスの検討:骨格系幹細胞におけるGsα構成的活性化が骨形成に及ぼす影響
キーワード:顎骨疾患、疾患モデルマウス、骨格系幹細胞
【目的】骨の機能亢進型GNAS変異疾患である線維性異形成症 (Fibrous Dysplasia: FD)は、GNAS変異が骨格系幹細胞に起こり発症すると考えられている。全身骨格に発症し、特に顎顔面骨及び大腿骨頸部に好発する。本研究では、FDモデルマウス作製を目的として、GNAS変異を骨格系幹細胞に発現させ、Gsαの構成的活性化による骨格変化を検討した。 【材料および方法】タモキシフェン (Tx)依存性にCre酵素を発現するPrrx1-CreERT2マウスと、Cre依存性に変異GNAS遺伝子を発現する変異GNAS-Floxマウスとを交配させて、任意のタイミングでPrrx1陽性の四肢未分化間葉系細胞に変異GNAS遺伝子を導入できるPrrx1-creERT2;GNASマウスを作製した。解析には主に大腿骨を用いた。 【結果】胎生14.5日齢時のTx投与では、野生型 (WT)マウスと比較して、生後1週齢 でPrrx1-creERT2;GNASマウス大腿骨の骨幹端部海綿骨と皮質骨の骨増生を認めるとともに、骨幹部骨髄内に骨梁形成が認められた。生後4週齢では骨幹端部海綿骨と皮質骨の骨増生は認められたが、骨髄内の骨梁は消失していた。 生後1週齢以降のTx投与では、Prrx1-creERT2;GNASマウスの骨幹端部海綿骨および皮質骨の骨増生を認めたが、骨幹部骨髄内に骨形成は認めなかった。 【結語】Prrx1-creERT2;GNASマウスでは、胎生期の変異GNAS遺伝子発現により、臨床病理組織学的にヒトFDの特徴を一部再現することができた。本マウスの解析は、FDの病態解明に繋がると考えた。