[P1-3-10] Role of Sox9 in the maturation process of muscle tendon junction in embryonic mouse
Keywords:Sox9、腱-骨格系前駆細胞群、筋原基
【目的】身体運動と構造安定のために協調する、効率的な組織の集合体が筋腱接合部の複合体である。骨格系と腱は腱-骨格系前駆細胞群から各々の組織に分化することが知られるものの、腱に連続する骨格筋は独自の経路で分化するとされてきた。しかしながら、腱-骨格系前駆細胞群と筋原基という2つの細胞集団が如何にして運動器を組織構築していくのかという点について、未だ解明すべき点がある。そこで本研究では筋腱接合部を中心とした複合体について経時的に観察し、運動器の組織構築機序を検索した。
【方法】試料として胎生後期のICR系マウスを用いた。主な観察対象部位は、外側翼突筋の関節突起(膜性骨化)への付着部、上腕三頭筋の尺骨(軟骨内骨化)への付着部とした。試料摘出後通法に従い切片を作製し、各種免疫組織化学的染色ならびにin situ ハイブリダイゼーションを行った。さらにSox9の免疫組織化学的染色結果を基に輝度解析を行い、染色結果の定量解析を試みた。
【結果および考察】胎生13.5日の上腕三頭筋の軟骨(尺骨)への付着部において、Sox9陽性の腱-骨格系前駆細胞群とDesminの集積する筋-腱接合部は接していた。胎生14.5~16.5日になるとSox9は腱-軟骨接合部と軟骨に限局して発現した。一方で胎生13.5~14.5日の外側翼突筋の膜性骨(関節突起)への付着部においても同様に接していた。しかしながら、胎生15.5~16.5日において、腱-膜性骨接合部にはその発現は認められなかった。
今回の結果から、胎生期の腱-軟骨接合部にSox9の発現が残存するものは、将来の線維軟骨型の付着形態に分化し、腱-膜性骨付着部にSox9の発現が減弱するものは線維型の付着形態に分化する可能性が示唆された。また発生初期の運動器は、どの部位においても腱-骨格系前駆細胞群と筋原基が接触するという同一の形態を示すと考えられた。
【方法】試料として胎生後期のICR系マウスを用いた。主な観察対象部位は、外側翼突筋の関節突起(膜性骨化)への付着部、上腕三頭筋の尺骨(軟骨内骨化)への付着部とした。試料摘出後通法に従い切片を作製し、各種免疫組織化学的染色ならびにin situ ハイブリダイゼーションを行った。さらにSox9の免疫組織化学的染色結果を基に輝度解析を行い、染色結果の定量解析を試みた。
【結果および考察】胎生13.5日の上腕三頭筋の軟骨(尺骨)への付着部において、Sox9陽性の腱-骨格系前駆細胞群とDesminの集積する筋-腱接合部は接していた。胎生14.5~16.5日になるとSox9は腱-軟骨接合部と軟骨に限局して発現した。一方で胎生13.5~14.5日の外側翼突筋の膜性骨(関節突起)への付着部においても同様に接していた。しかしながら、胎生15.5~16.5日において、腱-膜性骨接合部にはその発現は認められなかった。
今回の結果から、胎生期の腱-軟骨接合部にSox9の発現が残存するものは、将来の線維軟骨型の付着形態に分化し、腱-膜性骨付着部にSox9の発現が減弱するものは線維型の付着形態に分化する可能性が示唆された。また発生初期の運動器は、どの部位においても腱-骨格系前駆細胞群と筋原基が接触するという同一の形態を示すと考えられた。