The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (131講義室)

[P1-3-19] Effects of conditioned taste aversion on feeding behavior

〇Zimo Wei1, Helai Huang1, Tomohiko Yoshizawa1, Tadashi Inui1, Makoto Funahashi1 (1. Dept Oral Physiol, Hokkaido Univ Grad Sch Dent Med )

Keywords:条件付け味覚嫌悪、摂食行動、ラット

ラットに甘味に対する条件付け味覚嫌悪(conditioned taste aversion: CTA)を獲得させた場合に、ラットがサッカリン含有の甘味飼料の摂取を忌避するか否かを調べた。通常では CTAを獲得したラットは21時間40分の飲水制限後に渇きがある状態にも関わらずサッカリン溶液の摂取を忌避する。つまり、渇きによる飲水行動が味覚嫌悪記憶によって抑制されたと考えられる。そこで本研究は、ラットは味覚嫌悪記憶により空腹に抗って甘味飼料の摂取を忌避するとの仮説を立てて実験を行った。実験動物としてSD系雄性ラット(7週齢)を用いて、CTA獲得後の摂食量、飲水量、体重の変化を測定した。条件刺激は0.1%サッカリン溶液摂取による甘味体験、無条件刺激は塩酸エメチン(5.54 mg/kg, 1%BW, i.p.)による悪心誘発とした。無条件刺激として生理食塩水を腹腔内注射したラットをコントロール群とした。甘味飼料は通常の固形飼料を粉末にして同量の0.2%のサッカリン溶液を加えて混合し、固形飼料と同型に成形し乾燥機で完全に乾燥させて作成した。通常の餌も食感を揃えるため同様に加工した。CTA獲得後に1日の回復日を設けた後、甘味飼料テストを5日間の行ったところ、テスト1〜4日目において、条件付け日の通常飼料の摂取量と比べて,甘味飼料の摂取量が有意に減少した(F(5,30)=4.644, P<0.01, Dunnett検定)。コントロール群ではいずれのテスト日においても甘い餌の摂取量に有意な減少は認めず、むしろテスト3〜5日においては、条件付け日と比べて摂取量の増加傾向を認めた。この結果から空腹にも関わらず味覚嫌悪記憶によってラットの摂食行動は抑制されることが明らかとなった。これは、CTAの中枢機序が摂食障害の発症機序に関係している可能性を示唆するものである。