[P2-2-27] 自閉スペクトラム症患者における口腔および腸内細菌叢解析
キーワード:腸内細菌叢、口腔細菌叢、16SrRNA遺伝子解析、自閉スペクトラム症
【目的】近年、腸内細菌叢の異常が脳に影響を与えることが明らかになり、自閉スペクトラム症(ASD)との関連が注目されている。日々、唾液を飲み込むことで持続的に嚥下される口腔細菌は、直接的に、あるいは腸内細菌への影響を介して間接的にASDに関与している可能性があるが、その詳細には未だ不明な点が多い。今回、ASD患者の唾液と糞便から、口腔と腸内の細菌叢を解析し、細菌叢の差異の有無について検討を行った。
【方法】ASD患者10名と健常対照者10名の計20名を対象とし、唾液と糞便を採取した。平均年齢は、ASD群が8歳(5~19歳)、健常群が10歳(3~14歳)、男女比は両群とも一致していた(男:女=8:2)。ASD患者は、各医療機関で診断を受けていた。唾液と糞便からDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子解析を行い、その特徴について検討した(解析機種:MiSeq、解析ソフト:Qiime2)。
【結果】ASD群の口腔と腸内の細菌叢は、健常群の組成とは異なっていることが認められた。検体間の類似性を表すβ多様性は有意に異なり、定性的評価(unweighted Unifrac距離)、定量的評価(weighted Unifrac距離)のいずれにおいても有意差が認められた(PERMANOVA p=0.002)。ASD群に特徴的なOTU(Operational Taxonomic Units:分類学的操作単位)として、口腔細菌では、Neisseria属、Porphyromonas pasteri、Streptococcus属など、腸内細菌では、Faecalibacterium属、Bacteroides dorei、Prevotella copriなどが多く抽出された。
【考察】本研究より、ASD患者は口腔および腸内細菌叢において、特徴的な細菌叢構成を有する可能性が示唆された。
【方法】ASD患者10名と健常対照者10名の計20名を対象とし、唾液と糞便を採取した。平均年齢は、ASD群が8歳(5~19歳)、健常群が10歳(3~14歳)、男女比は両群とも一致していた(男:女=8:2)。ASD患者は、各医療機関で診断を受けていた。唾液と糞便からDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子解析を行い、その特徴について検討した(解析機種:MiSeq、解析ソフト:Qiime2)。
【結果】ASD群の口腔と腸内の細菌叢は、健常群の組成とは異なっていることが認められた。検体間の類似性を表すβ多様性は有意に異なり、定性的評価(unweighted Unifrac距離)、定量的評価(weighted Unifrac距離)のいずれにおいても有意差が認められた(PERMANOVA p=0.002)。ASD群に特徴的なOTU(Operational Taxonomic Units:分類学的操作単位)として、口腔細菌では、Neisseria属、Porphyromonas pasteri、Streptococcus属など、腸内細菌では、Faecalibacterium属、Bacteroides dorei、Prevotella copriなどが多く抽出された。
【考察】本研究より、ASD患者は口腔および腸内細菌叢において、特徴的な細菌叢構成を有する可能性が示唆された。