The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sun. Sep 17, 2023 9:00 AM - 6:00 PM Poster Presentation (121講義室)

[P2-2-33] Involvement of the NLRP3 inflammasome pathway in the biological activity of candidalysin

〇Taiki Mori1, Hideo Kataoka1, Gen Tanabe1,2, Takeshi Into1 (1. Dept Oral Microbiol, Asahi Univ Sch Dent, 2. Div Sports Dent, Meikai Univ Sch Dent)

Keywords:カンジダリシン、インフラマソーム、NLRP3

カンジダリシン(CL)はカンジダ菌の菌糸から産生される疎水性のペプチド毒素であり、細胞毒性やNLRP3インフラマソーム経路とカスパーゼ-1活性化に依存的なIL-1β産生活性を有すると考えられている。我々は以前の報告で合成CLペプチドを水溶液(CLw)およびジメチルスルホキシド溶液(CLd)として調製したところ、前者は多量の不溶性微粒子が残存し、後者は完全に可溶化されることを見出した。THP-1細胞における細胞毒性もIL-1β産生活性もCLdの方がCLwよりも10倍程度強く、CLの活性は可溶性に大きく影響されることも示した。また、CLwの不溶性微粒子がIL-1β産生活性を担っており、この活性はNLRP3阻害剤で抑制されることを示したが、詳細は明らかにできていない。そこで本研究では、CLwとCLdの細胞毒性ならびにIL-1β産生活性におけるNLRP3インフラマソーム経路の関与を精査することを目的とした。 CLwとCLdの細胞毒性はTHP-1細胞でもNLPR3をノックアウト(KO)したTHP-1細胞でも同様に誘導された。CLdはカスパーゼ-1活性化を誘導せず、NLPR3 KO細胞でもIL-1β産生を誘導できるのに対し、CLwによるカスパーゼ-1活性化もIL-1β産生活性もNLPR3 KO細胞では認められなくなった。インフラマソーム形成の際に凝集化するASCタンパク質を強制発現させた細胞で実験した結果、CLwのみがGFP凝集化能を有し、この活性はNLRP3阻害剤で抑制された。以上より、CLwとCLdの細胞毒性およびCLdのIL-1β産生活性にはNLRP3インフラマソーム経路は関与せず、CLwによるIL-1β産生活性にのみNLRP3インフラマソーム経路が関与することが明らかになった。従って本来の合成CLペプチドの生理活性にNLRP3は関与しないことが示された。