ポスター展示

[P2-3-08] ストレス伝染は吻側延髄腹側部を変調させる

〇Piriyaprasath Kajita¹、長谷川 真奈^1,2、柿原 嘉人³、藤井 規孝²、山村 健介¹、岡本 圭一郎¹ (1. 新潟大　院医歯　口腔生理、2. 新潟大　院医歯　歯総診 、3. 新潟大　院医歯　歯科薬理)

キーワード：stress contagion、orofacial pain、RVM

我々は最近、健常なマウスがストレス状態のマウスと同居すると不安行動が増大し（ストレス伝染）さらに咬筋の侵害応答が増大することを解明した。本研究ではストレス伝染が吻側延髄腹側部(RVM)ニューロンの興奮性およびセロトニン(5HT)発現に与える影響を調べた。その結果、ストレス伝染は１）不安行動を増大させた。２）咬筋侵害刺激の有無に関係なくRVM領域に含まれる大縫線核およびlateral paragigantocellular nuclei (LPGi)においてc-Fos陽性細胞数を増大させた。２）5HT陽性細胞数はNRMで減少、LPGiで増大させた。一方、RVM全体での5HTタンパク量は増大させた。３）頸髄後角部の5HTの発現densityを増大させた。以上よりストレス伝染に伴う咬筋侵害応答の増大は、RVM部の興奮性の増大および５HT機構の変調に伴う下行性疼痛抑制系の変調によることが示唆された。