第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:ポスター発表

ポスター展示

2023年9月17日(日) 09:00 〜 18:00 ポスター会場 (131講義室(本館3F))

[P2-3-24] 二本鎖 RNA が誘導する炎症性サイトカインと IFN-β 産生における dectin-1 リガンドのプライミング効果と caspase-11 の役割

〇玉井 利代子1、清浦 有祐1 (1. 奥羽大 歯 口腔感染免疫)

キーワード:caspase-11、Toll-like receptor、dectin-1

【目的】マウスマクロファージ様細胞による poly(I:C) 誘導炎症性サイトカインと IFN-β 産生における dectin-1 リガンドのプライミング効果と caspase-11 の役割について検討した。
【方法】J774.1 細胞は10%FBS含有 RPMI1640 培地を、RAW-ASC 細胞と caspase-11 欠損 RAW-ASC 細胞は10%FBS含有高グルコース DMEM 培地を用いて 5%CO2, 37℃で継代培養後、96穴平底プレートに播種した。一晩培養後3回細胞を洗い、カードラン含有または不含の培地で24時間前培養後、3回細胞を洗い poly(I:C) またはイミキモドを含んだ培地で24時間インキュベートした。そして上清回収後、ELISA で炎症性サイトカインと IFN-β の産生を定量した。RIG-I と caspase-11 の発現はウエスタンブロット法で解析した。
【結果と考察】(1) カードランによる J774.1 細胞の前処理は、同細胞の poly(I:C) 誘導 IL-6, MCP-1, TNF-α, および IFN-β 産生を濃度依存的に増加したが、イミキモドが誘導する IFN-β 産生は抑制した。(2) カードランは、J774.1 細胞の RIG-I と caspase-11 発現を増強した。(3) MyD88 依存の TLR2 または TLR7 リガンドによる同細胞の caspase-11 活性化は、MyD88 非依存経路を持つリガンドによる同活性化より弱かった。以上の結果は、dectin-1 リガンドは RIG-I 発現増強を介して poly(I:C) 誘導サイトカイン産生を増加し、 caspase-11 は MyD88 非依存経路によるサイトカイン産生を増加する可能性を示唆する。