[P3-2-03] ニワトリ顎関節構造の解剖組織学的解析
キーワード:鳥、顎関節、関節半月
ヒトを含む哺乳類の顎関節は側頭骨(鱗状骨)と下顎骨(歯骨)から成る二次顎関節として知られている。一方、鳥類は方形骨と関節骨で顎関節を形成する一次顎関節であり、方形骨が関節頭、関節骨が関節窩となること、関節半月が関節内後方に位置することなどが知られているがその構造の詳細は不明である。本研究ではニワトリの顎関節を肉眼解剖学的、組織学的に調査した。
まず成獣の乾燥頭蓋標本から関節頭の方形骨に外側顆、内側顆、後顆、関節窩の関節骨に外側臼、内側臼があり、外側顆-外側臼、内側顆-内側臼の関係で関節していることが確認できた。また、外側臼と内側臼は前後に広がっており、蝶番運動に加えて多少の滑走運動ができると考えられた。次いで発生19日の組織切片で観察すると、後方に存在する関節半月は疎な結合組織で構成される浅部と密な線維束で構成される深部に分けられることが確認できた。さらに深層の線維束を前方に追跡すると外側顆の下部を通り、その後上行して方形頬骨から起こる「内側頬下顎靭帯」に直接連絡していた。また、内側は内側突起に付着していた。
以上の所見をもとに成獣顎関節を実体顕微鏡下で解剖したところ、該当する靭帯・線維束を明瞭に剖出することができた。また半月浅部には部分的に軟骨組織が存在していた。 この関節半月が「内側頰下顎靭帯」と一体となって、関節に加わる圧迫力への緩衝作用、関節面の適合の補正、関節の可動性の適正化などに関与していると推測され、この構造がニワトリ(鳥類)の顎運動において重要な役割を持つと考えられた。
まず成獣の乾燥頭蓋標本から関節頭の方形骨に外側顆、内側顆、後顆、関節窩の関節骨に外側臼、内側臼があり、外側顆-外側臼、内側顆-内側臼の関係で関節していることが確認できた。また、外側臼と内側臼は前後に広がっており、蝶番運動に加えて多少の滑走運動ができると考えられた。次いで発生19日の組織切片で観察すると、後方に存在する関節半月は疎な結合組織で構成される浅部と密な線維束で構成される深部に分けられることが確認できた。さらに深層の線維束を前方に追跡すると外側顆の下部を通り、その後上行して方形頬骨から起こる「内側頬下顎靭帯」に直接連絡していた。また、内側は内側突起に付着していた。
以上の所見をもとに成獣顎関節を実体顕微鏡下で解剖したところ、該当する靭帯・線維束を明瞭に剖出することができた。また半月浅部には部分的に軟骨組織が存在していた。 この関節半月が「内側頰下顎靭帯」と一体となって、関節に加わる圧迫力への緩衝作用、関節面の適合の補正、関節の可動性の適正化などに関与していると推測され、この構造がニワトリ(鳥類)の顎運動において重要な役割を持つと考えられた。