[P3-2-04] In situ hybridization 法によるニワトリ胚軟骨基質遺伝子発現の研究
キーワード:ニワトリ、軟骨、遺伝子発現
〔目的〕ニワトリ胚の頭蓋顔面領域に多くの二次軟骨が出現するがその構造上の特徴は十分に解明されていない。本研究は一次軟骨と二次軟骨の細胞外基質の遺伝子発現をin situ hybridization法で検索し両者を比較した。
〔方法〕孵卵6.0-14.0日 (E 6.0-14.0) のロードアイランドレッド系ニワトリ胚を用いた。二次軟骨として上角骨、鱗状骨及び翼状骨前内側部に出現するもの、一次軟骨として方形骨軟骨を検索対象とした。標本は通法に従ってパラフィン切片を作成し、versican, aggrecan, type I, II, X collagen の遺伝子発現を検索した。
〔結果〕E6.0において方形骨原基の間葉凝集にわずかにメタクロマジアが認められ、間葉凝集には versican, aggrecan, type II collagen の発現が認められた。E7.0では明瞭な軟骨形成が確認されaggrecan, type II collagenが強く発現していた。Versicanは周囲の間葉組織には発現が認められたが、軟骨内では消失していた。Type I collagenは軟骨周辺部に発現が認められた。E10.0では方形骨中央部にtype X collagenの発現が認められた。二次軟骨はE11.0日から形成され始め、E13.0日では形成が進行していた。E11.0の上角骨、鱗状骨二次軟骨ではaggrecan, type I, II , X collagenの発現が同時に認められたがversicanの発現は認められなかった。翼状骨二次軟骨ではaggrecan, type II collagenのみ発現が認められた。
〔考察〕一次軟骨では哺乳類の長骨と同様、軟骨内骨化への分化が順次進行していくのに対し、上角骨、鱗状骨二次軟骨では分化が急速に進行すると考えられた。翼状骨二次軟骨は骨化の兆候を示さなかった。
〔方法〕孵卵6.0-14.0日 (E 6.0-14.0) のロードアイランドレッド系ニワトリ胚を用いた。二次軟骨として上角骨、鱗状骨及び翼状骨前内側部に出現するもの、一次軟骨として方形骨軟骨を検索対象とした。標本は通法に従ってパラフィン切片を作成し、versican, aggrecan, type I, II, X collagen の遺伝子発現を検索した。
〔結果〕E6.0において方形骨原基の間葉凝集にわずかにメタクロマジアが認められ、間葉凝集には versican, aggrecan, type II collagen の発現が認められた。E7.0では明瞭な軟骨形成が確認されaggrecan, type II collagenが強く発現していた。Versicanは周囲の間葉組織には発現が認められたが、軟骨内では消失していた。Type I collagenは軟骨周辺部に発現が認められた。E10.0では方形骨中央部にtype X collagenの発現が認められた。二次軟骨はE11.0日から形成され始め、E13.0日では形成が進行していた。E11.0の上角骨、鱗状骨二次軟骨ではaggrecan, type I, II , X collagenの発現が同時に認められたがversicanの発現は認められなかった。翼状骨二次軟骨ではaggrecan, type II collagenのみ発現が認められた。
〔考察〕一次軟骨では哺乳類の長骨と同様、軟骨内骨化への分化が順次進行していくのに対し、上角骨、鱗状骨二次軟骨では分化が急速に進行すると考えられた。翼状骨二次軟骨は骨化の兆候を示さなかった。