[P3-2-05] チタン上の骨芽細胞はAMPK活性によりインテグリンの発現とオートファジーを介して骨分化を促進する
キーワード:AMPK、Autophagy、Integrin
【背景と目的】 AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性は、骨芽細胞の骨分化や骨形成を調節することが知られている。我々はAMPK活性化促進によりインプラント周囲骨の骨分化や形成を促進することで、早期かつ強固なオッセオインテグレーションの獲得が可能ではないかと考えた。本研究の目的は、AMPK活性化によるチタンディスク上での骨分化や形成とその作用機序について、プラスチックディッシュと比較し評価した。 【材料と方法】 マウス由来前骨芽細胞(MC3T3-E1細胞)をプラスチックディッシュとチタンディスク(機械的研磨処理)上に播種し、以下の条件で最大7日間培養した;コントロール群(通常培地)、骨誘導培地群(BMP-2またはOIM)、AMPK活性剤添加群(骨誘導培地+AICAR)。各々の条件下でのサンプルを回収し、CCK-8染色、カルセイン染色、アリザリン染色、ルシフェラーゼ測定、RT-qPCR、Western Blotting法を用いて評価した。 【結果と考察】 チタン上のMC3T3-E1細胞の増殖や生存率はプラスチック上と有意な差はなかった。AICAR添加は、MC3T3-E1細胞のAMPKリン酸化を伴って、転写活性増加と骨分化マーカーの発現を上昇させ、Ca沈着を増加させた。この促進効果はプラスチックに比較しチタンディスク上においてより高かった。同時に、オートファジー関連分子LC3II-Bを含むマクロオートファジーとマイトファジーの関連分子の発現も増加させた。さらに、チタンディスク上のインテグリン群(αV、α2、β1)の発現は高く、BMP-2により増強された。 チタン上の骨芽細胞はAMPK活性化促進によりオートファジーを介して骨分化を促進することが示唆された。また、AMPK活性化により、チタン上ではインテグリン群が有意に発現し、この発現が骨分化促進に関与していると考えられた。