[P3-2-12] AGEsによる歯髄の器質変化と石灰化現象の解明
キーワード:終末糖化産物、AGEs、象牙質歯髄複合体
生体内においてタンパク質と還元糖の非酵素的糖化修飾により形成される糖化最終産物(Advanced Glycation End products ; AGEs)は糖尿病をはじめとした代謝性疾患の病態因子として注目されてきた。また、AGEsは加齢とともに組織に蓄積し、器質変化を引き起こすことで、創傷治癒、循環障害や慢性炎症などにも関連することが明らかになってきた。
我々は、現在までにAGEsと歯髄腔内の石灰化との関連を報告してきたが、今回新たに、歯内治療や保存修復治療の問題となる高齢者の歯髄腔の狭窄や断髄などの歯髄温存療法後の歯髄内石灰化物形成についてAGEsとの関連を検討した。
本研究ではAGEsが石灰化に及ぼす影響を検討するため、AGEs含有媒体として糖化ゼラチンスポンジを用いて、8週齢の雄SDラットの上顎第一臼歯露髄面に直接覆髄を行った。また、象牙質添加に関連して加齢に伴う歯髄の器質変化と石灰化物添加の関連に関して比較を行うため、30週齢から40週齢の雄SDラットの象牙質と歯髄組織の観察を行った。 ラットは屠殺後、固定し、µCT撮影を行った。その後、反射電子を用いたBlock Face Imagingによる走査型電子顕微鏡(SEM)観察およびパラフィン切片法によるHE染色およびAGEsや石灰化関連タンパク質を主体とした免疫組織化学染色を行った。
糖化ゼラチンスポンジは、歯髄内に適用することで細胞や壊死物質を含む不定形の石灰化物の形成を促進することが明らかになった。そして、これらの石灰化にはオステオポンチン等の石灰化タンパク質の関与が認められなかった。また、加齢ラットの歯髄腔周囲にはAGEsが沈着している様相が確認できた。糖化に関連して歯髄腔内ではAGEs蓄積とともに石灰化やそれに伴う歯髄腔狭窄が生じていることが分かり、糖化産物沈着に関連する石灰化メカニズムにつながると考えられる。
我々は、現在までにAGEsと歯髄腔内の石灰化との関連を報告してきたが、今回新たに、歯内治療や保存修復治療の問題となる高齢者の歯髄腔の狭窄や断髄などの歯髄温存療法後の歯髄内石灰化物形成についてAGEsとの関連を検討した。
本研究ではAGEsが石灰化に及ぼす影響を検討するため、AGEs含有媒体として糖化ゼラチンスポンジを用いて、8週齢の雄SDラットの上顎第一臼歯露髄面に直接覆髄を行った。また、象牙質添加に関連して加齢に伴う歯髄の器質変化と石灰化物添加の関連に関して比較を行うため、30週齢から40週齢の雄SDラットの象牙質と歯髄組織の観察を行った。 ラットは屠殺後、固定し、µCT撮影を行った。その後、反射電子を用いたBlock Face Imagingによる走査型電子顕微鏡(SEM)観察およびパラフィン切片法によるHE染色およびAGEsや石灰化関連タンパク質を主体とした免疫組織化学染色を行った。
糖化ゼラチンスポンジは、歯髄内に適用することで細胞や壊死物質を含む不定形の石灰化物の形成を促進することが明らかになった。そして、これらの石灰化にはオステオポンチン等の石灰化タンパク質の関与が認められなかった。また、加齢ラットの歯髄腔周囲にはAGEsが沈着している様相が確認できた。糖化に関連して歯髄腔内ではAGEs蓄積とともに石灰化やそれに伴う歯髄腔狭窄が生じていることが分かり、糖化産物沈着に関連する石灰化メカニズムにつながると考えられる。