第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:ポスター発表

ポスター展示

2023年9月18日(月) 08:30 〜 15:50 ポスター会場 (121講義室(本館2F))

[P3-2-31] エチレンビニルアセテート製スポーツマウスガードにおける口腔細菌の洗浄効果の検討

〇林 裕基1,2、内記 良一2、村上 正洋1,2、大石 明広2、竹内 理穂子2,3、中川 昌好1、木本 統3、長谷川 義明2 (1. 愛院大 歯 冠・橋義歯、2. 愛院大 歯 微生物、3. 愛院大 歯 高齢者歯)

キーワード: Biofilm、Ethylene-vinyl acetate、Sports mouthguard

【背景】スポーツ外傷の予防のために口腔内に装着されるスポーツマウスガードは、口腔内のさまざまな微生物にさらされる。本研究ではスポーツマウスガードに形成されたバイオフィルム対するマウスガードクリーナー(MC)による洗浄効果をin vitro及びin vivoで評価した。【方法】in vitroでは口腔常在菌Streptococcus oralis、う蝕原因菌Streptococcus mutans、日和見病原体Staphylococcus aureusを使用した。エチレンビニルアセテート(EVA)製ディスク上に形成されたバイオフィルムに対する洗浄効果を生菌数により評価した。また、洗浄処理前後のEVAディスク表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した。in vivoでは実験用スポーツマウスガードについて、総菌数、レンサ球菌数及びカンジダ数を生菌数により評価すると共に、洗浄度をATP拭き取り検査により評価した。 【結果】in vitro において未処理のコントロール(CTRL)群及び超音波洗浄(UW)群と比較して、MC処理群では、全ての微生物における生菌数が有意に低下した。SEMにおいては、MC処理群ではEVAディスク上での細菌バイオフィルム量がCTRL群及びUW群と比較して明らかに減少した。in vivoでの生菌数においては、CTRL群に比べMC処理群では全ての微生物について有意に低かった。 また、ATP拭き取り検査ではCTRL群と比較してMC群では清浄度が高まる傾向を示した。【考察】口腔微生物に対するMCの洗浄効果はUWよりも効果的であることが考えられた。MCによる処理はスポーツマウスガードを使用するスポーツ選手を口腔感染症から守る洗浄方法として将来的に応用できる可能性がある。