[P3-2-32] Porphyromonas gingivalis ジンジパインによるphospholipase Cの活性化と歯周組織の炎症との関連性
キーワード:Porphyromonas gingivalis、inflammation、phospholipase
Porphyromonas gingivalis(Pg)は慢性歯周炎に関与する口腔細菌である。歯周炎ではCOX-2の発現とPGE2の産生が認められる。単球系細胞を用いたPg感染実験から、Pgの病原因子ジンジパインがCOX-2発現やPGE2産生を起こすことを明らかにし、これには宿主細胞外から流入する細胞内カルシウム濃度上昇が重要であることを示した。本会では、単球系細胞株THP-1における細胞内カルシウム濃度上昇に関連する因子であるホスホリパーゼC (PLC) に着目して、ジンジパインによるCOX-2発現とPGE2産生におけるPLCの関与について調べたので報告する。PLC阻害剤U73122とその陰性コントロール化合物であるU73343を用いて、ジンジパインによるCOX2発現とPGE2産生に対するPLCの関与について調べた。またジンジパインによるCOX-2発現に関与する細胞内シグナル伝達経路(ERK/AP-1とIKK/NF-κB)とPLCの関与について調べた。その結果、THP-1細胞におけるPg感染によるCOX-2発現とPGE2産生にはPLCの関与が示され、またPLCの活性化が細胞外のCa2流入にも関わっている可能性が示唆された。