The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

Presentation information

Symposium

US8

「歯科臨床と基礎研究を繋ぐ口腔粘膜研究の最前線」
 スポンサー:第一三共ヘルスケア株式会社

Sun. Sep 17, 2023 4:00 PM - 5:30 PM C会場 (133講義室)

座長:小野 堅太郎(九歯大 生理)、加藤 隆史(阪大 院歯 口腔生理)

4:40 PM - 5:00 PM

[US8-03] Analgesic mechanism for oral ulcerative mucositis-induced pain by olfactory stimulation

〇Suzuro Hitomi1, Masato Iida1, Masamichi Shinoda1 (1. Dept Physiol, Nihon Univ Sch Dent)

Keywords:口内炎、疼痛、鎮痛

口内炎は多くの人が経験する激痛を伴う口腔粘膜疾患である。咬傷や火傷、不適合義歯や矯正装置などによって口腔粘膜が傷害されると、潰瘍を形成し粘膜組織内へ口腔内細菌が侵入する。このような粘膜上皮の破壊と細菌侵入によって引き起こされる口内炎は、自発痛だけでなく会話や食事時の機械刺激による誘発痛を生じる。また、頭頸部がん患者においては治療の副作用として広範囲に口内炎が生じるが、免疫力低下により口内炎の治癒が遅れるため、大きく患者のQOLが低下する。このようなことから、口内炎疼痛を緩和し得る鎮痛薬の存在は非常に重要である。これまで我々は口内炎モデルラットを用いて口内炎疼痛に対する既存薬の鎮痛機序に関する研究を行ってきた。最近、ラベンダーやベルガモットなどのアロマに含まれる成分の一つであるリナロールによる嗅覚刺激が鎮痛作用を示すことが報告された。もし口内炎疼痛に対してもリナロール香気が奏効すれば、入手しやすい上に直接患部に触れることなく口内炎を緩和することが可能な鎮痛薬になりうる。本シンポジウムでは、口内炎疼痛に対する各種既存薬および現在行っているリナロール香気による鎮痛機序について紹介する。