一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

講演情報

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

新型コロナウイルス感染症1(OP-0101~0104)

面澤和子(弘前大学名誉教授)

[OP-0101] 日本におけるCOVID-19流行初期の学校の対応

岡本陽 (愛知教育大学 教育学部 養護教育講座)

【目的】2019年に発生したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)はパンデミックとなり,2020年3月には日本国内も流行状態となった.これをうけ政府から臨時休業が要請され,ほとんどの学校が1から2ヶ月間の臨時休業となった.その後の学校再開では感染症対策について混乱もみられた.本研究では,日本における2020年春頃の臨時休業前後の学校における感染症に対する物資,対応を中心とした調査を行った.
【方法】2020年4月に各都道府県につき5校を無作為に抽出し,質問紙を郵送し調査依頼を行った.回収率は102/282件(36.2%)であった.また,郵送調査と並行してgoogle formsを利用したwebアンケート調査を行い,158件の回答を得た.
【結果】主要な結果を簡潔に示す.3月から4月ごろの休校の対応について,小学校(72%)と特別支援学校(64%)は臨時休業中の自主登校をみとめていたが,中学校(74%)と高等学校(83%)は自主登校を行なっていなかった.マスクや消毒薬など物資について,学校再開後は不足が目立った.卒業式(96.9%),また入学式(92.7%)について,ほとんどの学校が規模縮小の対応をとっていた.夏季休業までに予定されていた多くの学外行事は,延期または中止の判断がなされていた.
【考察】世界的にCOVID-19が終息にむかう兆しは2021年7月現在でも見られず,また新たに別の病原体によるパンデミックが発生するおそれは大いにある.今回の件をきっかけに,今後にそなえて感染症流行に対して頑健な学校体制を構築する必要がある.