一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症2(OP-0105~0109)

中川秀昭(金沢医科大学)

[OP-0106] 新型コロナウイルス感染症対策としての休校措置による小中学生の体型の変化についての縦断的検討

長島由佳, 井ノ口美香子, 徳村光昭, 内田敬子, 康井洋介, 河津桃子 (慶應義塾大学 保健管理センター)

【背景】本邦では2020年3~5月に国の施策として外出自粛を伴う休校措置が行われた.これによる小児の心身への悪影響が危惧されたが,体型への影響に関する報告はまだない.【目的】休校措置による小中学生の体型の変化を縦断的に検討する.【方法】解析対象は,2015~2020年度に私立小学校2校,私立中学校3校に在籍した男子4059人,女子1740人.各年度秋(9~11月)における身長・体重計測値からBMIを算出し,2000年度日本人性別年齢別BMI基準値を用いてSD値に変換した.前年の秋からの約1年間でBMIが+0.5 SD以上増加した児を「太った」,-0.5 SD以上減少した児を「やせた」と判定した.2019-2020年の「太った」児,「やせた」児の割合を,過去4年間(2015-2016,2016-2017,2017-2018,2018-2019年)を対照として性別,学年別に比較検討した.【結果】2019-2020年の「太った」児の割合は小学生男子で24.7~33.5%,中学生男子で16.5~16.7%,「やせた」児の割合は中学生女子で18.6~20.7%であり,いずれも過去4年間における割合(小学生男子3.2~14.1%,中学生男子4.4~8.2%,中学生女子3.0~11.0%)と比較して有意に高値であった.【考察】「太った」児の増加要因としては食事の増加や運動時間の減少,「やせた」児の増加要因としては休校中の意図的な食事制限の可能性を考える.【結論】外出自粛を伴う休校措置による小中学生の体型への影響は,性別や学年(年齢)によって異なり,小中学生男子では太る傾向,中学生女子ではやせる傾向を認めた.