一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症2(OP-0105~0109)

中川秀昭(金沢医科大学)

[OP-0107] 新型コロナウイルス流行に伴う小・中学生における運動器検診の縦断的結果の特徴

可西泰修1, 鎌田浩史2,3, 木村美緒2, 都丸洋平2, 中川将吾2, 中島亮一4, 山崎正志2,3, 宮川俊平2, 白木仁5 (1.筑波大学 医学医療系, 2.筑波大学 医学医療系 整形外科, 3.筑波大学附属病院 つくばスポーツ医学・健康科学センター, 4.筑波大学大学院 人間総合科学研究科, 5.筑波大学 体育系)

【背景】新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的流行により,本邦においては,感染拡大当初より外出自粛要請や学校における一斉臨時休校などの対策が講じられた.児童・生徒の心身への影響が考えられるなか,運動器所見の縦断的な評価によって,流行前後での影響の有無を確認することは,運動器の健全な発育発達のために重要である.【目的】COVID-19流行前と流行後の一斉休校明けに実施された小・中学生の運動器検診結果を用いて,個人の運動器所見の変化を確認することを目的とした.【方法】2019年度茨城県内の公立小・中学校6校の小学1年~中学2年生のうち,運動器検診を2020年度も続けて実施できた2971名を対象とした.同意を得られた保護者に対して,整形外科医が直接学校に出向き検診を実施した.検診はA・B・C校において2019年度4~5月および2020年度6~7月,D・E・F校において2019,2020年度ともに9月に実施された.各個人の経年的な検診結果を用いて,所見なしから所見ありと変化した者(出現群)を確認した.さらに,特に出現がみられた項目について,COVID-19の流行がなかった2017~2018年度における縦断的データとの比較を行った.【結果】有効児童データは2916名 (98.1%) であった.2019年度における対象者全体の横断データでは,前屈制限,扁平足,Rib humpの項目で特に高い所見率を示した.個人の縦断的分析を行ったところ,前屈制限,足関節可動域制限が特に出現していた.