一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症2(OP-0105~0109)

中川秀昭(金沢医科大学)

[OP-0108] コロナ休校中における子どもの24時間行動ガイドラインの達成状況と心身の健康との関連

田村史江1, 榎本夏子2,3, 田中良4,5, 鹿野晶子3, 吉永真理6, 野井真吾3 (1.日本体育大学大学院 博士前期課程, 2.日本体育大学大学院 博士後期課程, 3.日本体育大学, 4.大阪体育大学, 5.日本体育大学 体育研究所, 6.昭和薬科大学)

【目的】長期休校を含むコロナ禍の生活が子どもたちのからだと心に及ぼす種々の影響が心配されている.そこで本研究では,コロナ休校中における子どもの24時間行動ガイドラインの達成状況と心身の健康との関連を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象は1都3県の公立小・中学校31校に在籍する子どもであり,分析には本調査に回答があった2,423名のうち,データに欠損のなかった1,990名分のデータが使用された.調査は,Google Formを用いたWEB調査にて2020年5月に実施された.分析では,心身の健康(22項目)の因子構造を探索的因子分析により確認した後,カナダの24時間行動ガイドラインに倣って,3つの評価項目(身体活動日数,スクリーンタイム,睡眠時間)の達成状況を判定した.その上で,達成項目数の4群および達成した項目の組み合わせの8群と心身の健康因子の愁訴数との関連を共分散分析(共変量:性,学年)にて検討した.
【結果】本研究の結果,心身の健康は4因子(第1因子「悩み・痛み」,第2因子「疲労」,第3因子「苛立ち」,第4因子「無気力」)が抽出された.このうち,第3・4因子では,達成項目が0個の者に比して1,2,3個の者の愁訴数が有意に少ない様子が確認された.さらに,第2・3・4因子では,達成項目の組み合わせと愁訴数との間の有意差も確認された.
【付記】本研究は,子どものからだと心・連絡会議と日本体育大学体育研究所との共同調査として実施されたものである.