一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症2(OP-0105~0109)

中川秀昭(金沢医科大学)

[OP-0109] 新型コロナウイルス感染症による学校の長期休業期間中における生徒の生活とコミュニケーションの実態

鈴木美香, 石原研治 (茨城大学 大学院教育学研究科 教育実践高度化専攻 養護科学コース)

【目的】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による臨時休業を経験した中学生がその期間中にどのような生活を送ったのかを明らかにすることを目的とした.【方法】M市内の中学校に在籍する中学生を対象に臨時休業中の生活とコミュニケーションに関して質問紙調査を行った(調査期間:令和2年11月12日から12月2日,総回答数:689,有効回答数:608,有効回答率:88.2%).M市の公立学校では2020年3月3日から24日,4月9日から5月24日に休校措置がとられた.【結果】臨時休業中は,「動画」「勉強」「ゲーム」をして過ごす生徒が多く,「つまらない」「友達と会える日が早く来ることを期待」「学校に行きたい」という気持ちを持っていた.生徒の半数以上は家族との会話や友人との連絡が増え,友人とは「SNS」の使用が多く,女子でその傾向が顕著であり,男子は「ゲームのチャットや音声通話」を使用する者も多かった.友人と連絡とって「良かった」と思う生徒は8 割を超えた.臨時休業が始まった3月頃は「うれしい」と感じる生徒が多かったが,延長された頃(5月頃)はその割合が減少した.先生と会話をした生徒も多く,半数が「良かった」と感じていた.特に,臨時休業を「嫌だった」と感じていた生徒ほど先生と話ができて良かったと考え,延長された5月頃が強かった.【考察】臨時休業を経験した中学生にとって,家族,友人,先生とのコミュニケーションはとても重要であることが示唆された.