一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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原理,歴史,制度(OP-0201~0204)

七木田文彦(埼玉大学)

[OP-0204] 米国ニュージャージー州におけるコアカリキュラム基準の一つとしての教科「総合保健体育」の動向

植田誠治 (聖心女子大学 現代教養学部 教育学科)

【目的】米国ニュージャージー州は,1996年に総合教教育改善・財政法という,教育内容の基準と学校財政制度を直接結び付ける制度を,全米で初めて制定した州である.ここでは,その教育内容を保障するために制定されたコアカリキュラム基準の教科の一つとして位置づけられている「総合保健体育」について,2020年に改訂されたものの特徴を明らかにする.
【結果と考察】州教育委員会は,2020年6月,キャリア準備・ライフリテラシーならびに基本スキル,総合保健体育,コンピューターサイエンスとデザイン思考法,科学,社会科,視覚と舞台芸術,国際語の教科で新しいコアカリキュラム基準を用いることを決定した(感染症拡大により2022年秋より完全実施の予定).改訂は通常5年ごと.「総合保健体育」では,学問的概念と中心となる考え方ならびに人の発育・発達,妊娠と育児,心の健康,人間関係とセクシュアリティ,地域保健サービスとサポート,動作スキルと概念,体力,生涯を通じる体力,栄養,個人の安全,健康状態・病気・薬,飲酒・喫煙・その他の薬物,依存症・物質障害および治療,総合的な保健と体育の実践,気候変動の行動基準,について,2,5,8,12年生それぞれの終わりまでに身に付けておくべき内容が示されている.「総合保健体育」では,幼稚園から12年生(高校3年生)までの,全ての児童生徒たちが,ウエルネスと健康と体育の間の自然で学際的な関連を強調する総合的で系統性のある保健体育プログラムに参加することを求めている.