一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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性,ジェンダー(OP-0401~0406)

笠井直美(新潟大学)

[OP-0401] 大学生を対象としたオンライン同時双方向型による性教育ワークショップの試みとその評価

片岡千恵1, 佐藤貴弘1, 泉彩夏2, 古田映布3, 佐久田幸空4 (1.筑波大学体育系, 2.筑波大学大学院人間総合科学研究科, 3.筑波大学大学院人間総合科学学術院, 4.筑波大学人間学群教育学類)

本研究では,大学生に対する性教育として,同世代の大学生が参加者の主体的な関わりを促す視点から構想したオンライン同時双方向型でのワークショップを実践し,その効果を検討した.2021年1月に関東圏にあるA大学に在籍する学生を対象として,オンライン会議ツールを用いた60分の性教育ワークショップを実践した.実践者は教育系の学部に所属する大学1年次1名であり,参加者は約70名であった.本ワークショップの前半の約40分は講義形式の情報提供とし,後半の約20分はチャット機能を用いた参加者同士の意見交流の時間として確保した.参加にあたっては,氏名も顔も出さないという匿名性を完全に保証した.本実践の評価のために,2021年2月に,半構造化面接法を用いた調査を実施した.対象は,本ワークショップに参加した学生のうち,調査協力の同意の得られた7名とし,個別にインタビュー(1名あたり約60分)を行った.その結果,本ワークショップは,匿名性が確保されていたことや同世代の大学生が実践者であったことなどについて肯定的な意見が示され,参加者が主体的に参加して意見交流を促す本実践は有意義であったことが示唆された.大学生に対する性教育が必ずしも十分実践されているとは言えない中で,今後こうした取り組みが普及されていくことが望まれる.その際には,大学生に対する性教育のねらいや内容についてさらに吟味していくことが求められる.