一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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健康教育,ライフスキル2(OP-0506~0510)

山本眞由美(岐阜大学)

[OP-0508] 月経のセルフケア能力育成に向けた教育プログラム開発のための一考察-月経教育プログラムの実践に関する文献レビュー-

外千夏1, 玉熊和子1, 葛西敦子2 (1.青森中央学院大学 看護学部, 2.弘前大学 教育学部)

【目的】学校における月経教育は養護教諭をはじめ教科教員,外部講師により実施されている.筆者らは女子高校生の月経痛による婦人科受診の実態を調査し,受診者が症状の自覚から数年経過して受診していることや受診者の多くは母親に受診を勧められていたこと,ひどい月経痛だが受診に至らない女子が多数存在することを明らかにした.「月経のセルフケア能力」とは,女子が自らの月経について正常・異常を判断し,異常の際には母親等に相談し受診できることと考える.女子高校生の現状を踏まえると,月経のセルフケア能力育成に向けた教育プログラムの開発が早急に望まれる.そこで本研究は,その教育プログラム開発の基礎資料とするために,日本の月経教育に関する先行研究を概観し,実践報告の教育内容について検討することを目的とした.
【方法・結果】月経教育に関する原著論文の抽出に医中誌web版を用いた.キーワード毎に「月経and教育プログラム」19件,「月経教育」56件,「月経and e-ラーニング(e-learning)」1件,「月経and教育and教材」17件,計89件が抽出された.そのうち月経教育の実践報告は7件であり,それらの教育内容を分析した.内容は7件中6件が月経困難症やPMSを取り扱っており,更にそのうち1件は無月経について取り扱っていた.残り1件は月経の基礎教育であった.これら結果を踏まえた月経教育プログラムの開発が必要である.
【付記】本研究はJSPS科研費JP20K02772の助成を受けたものの一部である.