The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル2(OP-0506~0510)

山本眞由美(岐阜大学)

[OP-0509] 女子高校生の月経前症候群の症状軽減に向けた教育介入の有効性と課題

成順月, 松浦美由, 原ひろみ, 薬袋淳子 (岐阜医療科学大学)

【目的】女子高校生を対象に月経前症候群(PMS)に関する教育的介入を行い,PMSの症状軽減への有効性を調べ,課題を検討することを目的とした.この結果は学校保健における女子生徒の健康増進に向けた教育取組の一助になると考える.【方法】PMSの症状を有する女子高校生178人を対象に,教育群(91人)と対照群(87人)に分け,教育群にはPMSに関する教育介入を行い,対照群には通常の保健教育のみとした.介入前と6か月後に,両群に対して質問調査を実施した.2時点の追跡ができた168人を分析対象とし,教育群と対照群別に介入前後のPMS症状の頻度とPMSの認知度の比較,PMSの認知度による症状出現頻度の差をマンホイットニーU検定とカイ二乗検定で調べた.本研究は倫理審査委員会の承認を得たうえで,保護者と生徒の同意を得て実施した.【成績】PMSの症状出現頻度は,ベースライン時では両群間で差がなかったが,6ヵ月後の調査時点では精神症状の出現頻度が教育群で72.7%と,対照群の55%より有意に高かった.一方,PMSを知っている割合は教育を受けた群で53.4%と,対照群の11.3%より有意に高くなっていた.また,PMSを知っている群は知らない群より,精神と身体症状ともに有意が高かった.【結論】本研究で行った教育的介入はPMSの症状軽減にはつながらなかった.一方で,PMS症状の出現頻度が教育群で対照群より高くなった本研究の結果から,PMSについての認知度を上げ,セルフチェックができるような教育やサポートの必要性が示唆された.