一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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保健教育2(OP-0605~0609)

植田誠治(聖心女子大学)

[OP-0609] 高校生における心肺蘇生法を習得するための効果的な学習指導過程の開発

北川瑠菜1, 圓岡和子2, 末岡良彦2, 山田浩平3 (1.愛知教育大学 教職大学院 教育学研究科, 2.愛知教育大学附属高等学校, 3.愛知教育大学)

【目的】本研究は高校1年生が心肺蘇生法を習得するための学習指導過程を開発するために,座学と実習を組み合わせた2単位時間の学習指導過程を作成して検証授業を行い,授業前後で知識と態度の変化について検証することを目的とする.【方法】2021年3,4月に愛知県内のA高等学校137人を対象に,保健体育科の科目保健においてロジックストリーを用いた座学の授業とシミュレーション及びグループ対抗のゲーム形式の胸骨圧迫の実習を実施した.授業の評価にあたっては,授業前後にGoogleフォームを用いた授業内容に関わる知識テスト,学校向けアプリ(Classi)を使用した意欲・態度を,また授業後には授業の評価票(山田ら,2018)を用いて評価を行った.【結果】心肺蘇生法に関する知識テストを授業前後で比較したところ,平均点が6.5点から8.9点に有意に上昇した.次に態度に関する調査を授業前後で比較したところ,その多くの項目で有意な上昇がみられた.特に上昇が高かったのが「目の前で人が倒れたら心臓マッサージやAEDを使った応急手当ができますか」44.6%から90.7%であった.さらに授業の評価項目では「心肺蘇生法についての授業を受け,知識や技能を身に付けることができましたか」という質問に対して肯定的な回答を示した生徒は97.9%と高かった.【結論】今回実施した座学と実習を組み合わせた心肺蘇生法を習得させる授業が生徒の知識と態度の習得にある程度の効果が認められた.