The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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保健教育3(OP-0610~0614)

家田重晴(中京大学)

[OP-0612] 対人関係能力形成のためのプログラム開発に関する研究―小学校5年へのソーシャルスキル教育を通して―

鈴木かをる1, 田中滉至2, 山本鈴3, 山田浩平4 (1.名古屋学芸大学 ヒューマンケア学部 子どもケア専攻, 2.九州共立大学, 3.愛媛県八幡浜市立日土小学校, 4.愛知教育大学)

【目的】本研究は,小学5年生にコミュニケーション・スキルの階層性に基づいたプログラム案を作成して検証授業を行い,授業前後の知識・能力の変化を検証することを目的とする.【方法】愛知県内のA小学校5年生(4学級 計131名)を対象にした.2019年4月~6月に,毎月1回45分間のソーシャルスキル教育を行い,授業前後の「コミュニケーション・スキル尺度ENDCORES」(藤本・大坊,2007)の変化について3要因分散分析を行った.また,学習目標の理解度について,評価シートに記述された文章を「KHCoder3」を用いて分析した.
【結果および考察】4月に実施した「自己統制」尺度の平均値は,授業前「16.4」授業後「16.7」,5月に実施した「表現力」尺度の平均値,授業前「14.3」授業後「15.3」,6月に実施した「解読力」尺度の平均,授業前「16.4」授業後「16.7」であった.これらの得点について3要因分散分析を行った結果,自己統制(F(1,181)=6.4,p<0.00)および表現力(F(1,182)=6.2,p<0.00)において2次の交互作用に有意差がみられた.評価シートに記述された文章を共起ネットワークにより分析したところ,学習したスキルにより「怒り」の出現が減少している傾向がうかがえた.【結論】コミュニケーション・スキルの階層性を根拠とした目標スキルの設定と授業実践が児童の知識・能力の習得において基本的なスキルの形成に効果がみられた.