一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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保健教育4(OP-0615~0619)

西岡伸紀(兵庫教育大学)

[OP-0615] 児童の健康意識を高めるデジタルコンテンツを活用した,健康教育プログラムの開発

内海紗恵1, 田中達也2 (1.武庫川女子大学附属中学校・高等学校, 2.神戸市立灘の浜小学校)

 心身の健康の保持増進は生涯にわたって必要な観点であり,自らの心身の健康を考える機会はなくてはならない.学校現場においては,健康教育が推奨され,養護教諭の行う保健指導や体育教員が行う保健体育科において,心身の健康を学ぶ機会が保証されている.中でも養護教諭が行う保健指導では,学習指導要領で指定された内容がないため,子どもたちのリアルな健康課題を題材に健康教育を行うことができる.また学習展開を健康課題と行動変容のセットで指導できることから,内容や支援方法の汎用性は見られている.しかし近年,保健指導以外の学習内容の増加により,養護教諭が行う保健指導の制限が見られ,子どもたちの健康課題に沿った健康教育が行えていない.そこで本研究では,朝の学級活動などの短い時間で健康教育が実施できるよう,デジタルコンテンツの開発を行い,子どもたちに心身の健康を考えるきっかけを作ると共に,健康課題に関する行動変容の実現を目指した. その結果,本プログラムを実施することで,正しい知識を理解し,自分の生活習慣と学んだ知識を比較・関連付けさせながら,子ども自身が行動変容の実現を目指すことができるようになった.また,本プログラムは,短時間で実践することができることから,健康教育の実践時間の自由度が高まり,継続的な支援につながることも分かった.このようなことから,本プログラムは,児童の行動変容の実現を含めた健康意識の向上を図ると共に,保健教育の推進に寄与すると考えられる.