一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

講演情報

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

健康相談,健康相談活動,保健指導(OP-0701~0705)

遠藤伸子(女子栄養大学)

[OP-0702] 起立性調節障害様症状のある中高校生に対する養護教諭の捉え方と対応:原因帰属理論に基づく研究

プレナリーセッション2

三谷容子1, 渡邉久美2, 野村佳代3, 矢嶋裕樹4 (1.香川大学医学部看護学科精神看護医学, 2.香川大学 医学部 看護学科, 3.防衛医科大学校 医学教育部 看護学科, 4.新見公立大学 健康科学部 看護学科)

【目的】原因帰属理論を用いて,起立性調節障害(以下,ODとする)を疑わせるOD様症状のある中高校生への養護教諭の適切な対応に影響を及ぼす要因を,認知および感情から検討する.【方法】四国4県の中学校と高等学校の養護教諭400名に無記名自記式質問紙調査を2019年2~3月に実施した.OD様症状のある生徒をビネットで提示し,養護教諭の認知,感情(共感,不安感),対応(ODの見立て,保健指導,連携)等を調査した.認知はCausal dimension scale(Russell)の日本語訳を使用し,内的,統制可能,安定とした.分析は認知と感情を独立変数,各対応を従属変数としてロジスティック回帰分析(強制投入法)をし,独立変数として相関関係があると考える背景要因の勤務校種等を調整因子とした.統計処理はSPSS. Ver25.0 for WindowsとAmos25を用い,p<.05とした.本研究は香川大学医学部倫理委員会の承認を得て実施した.【結果】調査への同意173名(回収率43.3%),有効回答151名(有効回答率37.8%)を分析した.尺度は確認的因子分析等を行い,妥当性を確認した.分析の結果,有意な関連があったodds比(95%Cl)は,ODの見立てには統制可能0.63(0.42-0.95),保健指導には内的1.53(1.01-2.31)と共感1.59 (1.10-2.32), 連携には共感1.96(1.32-2.90)であった. 【結論】 OD様症状のある中高校生への養護教諭が適切に対応には,第1に原因をコントロールし難い体の問題と捉えること,第2に生徒の訴えを共感的に理解することの重要性が示唆された.