一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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健康相談,健康相談活動,保健指導(OP-0701~0705)

遠藤伸子(女子栄養大学)

[OP-0704] 小・中学生の身体発育変化に影響する栄養摂取状況

古川照美, 谷川涼子 (青森県立保健大学 健康科学部 看護学科)

【目的】体重や体脂肪率の増加には季節変動が認められることが既に報告されているが,季節変化による栄養摂取状況について明らかにし,成長発達段階における効果的な保健指導への示唆を得ることを目的とした.
【方法】小学5,6年生および中学生2年生を対象に,簡易型自記式食事歴法質問票による調査を行った.時期は4月と9月であった.男女別に春秋の身長,体重,BMIの変化と各栄養素の変化について,Pearson積率相関分析を実施した.その後,年齢を調整変数として投入した重回帰分析を実施した.本研究は倫理委員会の承認を受けて実施した.
【結果】身体の季節変化は,女子では身長,体重に有意差がみられた.男子の身長の変化に相関が認められたのは,動物性たんぱく質,ビタミンB2,体重変化では動物性脂質,BMIでは動物性脂質,ビタミンCであった.女子では,動物性脂質,BMIでは動物性脂質,ビタミンB1,ナイアシン,ビタミンB6であった.重回帰分析の結果,身長変化には,男子では動物性たんぱく質,体重には,男子で植物性脂質,女子では動物性脂質と植物性たんぱく質,BMIには,男子では植物性脂質,動物性たんぱく質,女子ではナイアシンが影響要因であった.
【考察】成長発達段階において,季節による食事内容の違いにより,身長,体重,肥満度の変化に影響があることが示唆された.保健指導の際には,身体発育状況と季節的な食事内容に留意する必要がある.