一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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養護教諭,保健室2(OP-0806~0809)

上村弘子(岡山大学)

[OP-0806] 養護教諭複数配置校の職務推進の在り方が人間関係に与える影響力

宮慶美恵子 (花園大学 社会福祉学部 児童福祉学科)

【背景】養護教諭の複数配置の課題として「職務推進の在り方」や「人間関係」の問題があり,十分な解決に至っていない.【目的】複数配置校における養護教諭同士の「職務推進の在り方」が「人間関係」にどの程度の影響力を及ぼすのかについて調査することを主な目的とした.【方法】「複数配置での職務推進の在り方」は,半構造化インタビュー調査や文献等で得られた結果を因子分析した.そこで得られた要因を独立変数として,人間関係円滑度得点を従属変数として,重回帰分析を行った.【結果】「複数配置での職務推進の在り方」として「連携・チームワーク」「話し合い・相談」「相手の尊重」の3因子が抽出された.その中で「連携・チームワーク」(β=.48,p<.001)と「話し合い・相談」(β=.32<.001)は人間関係にも良い影響を与えていた.しかし「相手の尊重」(β=.05,p=.35)は,人間関係に影響を与えていなかった.【考察】「連携・チームワーク」や「話し合い・相談」を行うことは,児童生徒への多様で迅速な対応に繋がり,そのことが養護教諭同士の満足感となり,2人の人間関係にも良い影響を与えたと推測される.【まとめ】養護教諭複数配置校において「連携・チームワーク」や「話し合い・相談」は,複数配置での職務を円滑に進める要因であると同時に,人間関係にも影響を与えていることが示唆された.