The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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養護教諭,保健室3(OP-0810~0814)

荒川雅子(東京学芸大学)

[OP-0812] 不登校の子どもたちの経験と思い:成人期における振り返りをもとに

尾崎典子, 谷本公重, 鈴木麻友 (香川大学 医学部 看護学科)

【目的】増加する不登校児童生徒の支援として文部科学省から不登校対策の指針が何度か出される一方,学校現場は学校基本調査では現れてこない教室に行けない不登校傾向の子どもたちの増加に苦慮している.現代の不登校問題解決の方向性を見つけるためにはどのような手立てが必要なのだろうか.本研究の目的は,「不登校」の状況や支援方法について当事者の立場から検証し,社会参加に結びつく効果的アプローチを導き出すことである.【方法】1985~2004年に研究代表者(養護教諭)が対応した「不登校」「不登校傾向」の元児童生徒3名(30~42歳)に,幼少時~現在までの経過を振り返ってもらい,記憶に残るエピソードやその時の気持ちを思い出しながら語ってもらった.そして,インタビュー内容をケース別にライフステージごとにカテゴリー化して分析を行った.【結論】その結果,ケースごとに異なる状況が明らかになり,その時々の体験や気持ちから【「不登校」に向かわせた気持ち】【「不登校」時に受けた働きかけとその時の気持ち】【体験】【支えてくれる存在】【成長から得られた充実感】の5つのカテゴリーが見出された.これらのカテゴリーから「不登校」の子どもたちへの支援のあり方へのヒントが示唆された.また,元児童生徒は,「不登校」後の人生において,進学,就職,結婚,出産などさまざまな体験して,出会った人たちとの関係性の中で生きるエネルギーを得て,成長していたことが明らかになった.