一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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養護教諭,保健室3(OP-0810~0814)

荒川雅子(東京学芸大学)

[OP-0811] 養護教諭と民生委員・児童委員の連携によるヤングケアラー支援に向けて

プレナリーセッション2

吉永真理1, 首藤明日香1, 小池逸太1, 工藤晶子3, 鹿野晶子2, 野井真吾2 (1.昭和薬科大学・薬学部・臨床心理学研究室, 2.日本体育大学体育学部健康学科, 3.川崎市立柿生中学校)

【目的】ヤングケアラーとは,家族にケアを要する人がいる場合に,大人が担うようなケアを行っている18歳未満の子どもと定義される.昨年末,日本で初の全国調査が実施され,中学2年生の約17人に一人がヤングケアラーであることが報告された.本調査では,ヤングケアラーということばを知る前から,そのような子どもの存在に気づき,見守り,支援してきた,民生委員と養護教諭を対象にした質問紙調査結果を報告する.【方法】東京近郊のM市で189名の民生委員・児童委員(以下「民生」)(うち15名が主任児童委員(以下「主任」))が質問紙に回答した.養護教諭(以下「養護」)に関しては,M市を含む東京近郊3市の35名が回答した(調査は2019-2020年に実施).【結果】ヤングケアラーと感じた子どもがいた,という回答は「民生」11.1%,「主任」では67%,「養護」42.9%だった(χ2=12.6 p<0.001 Cramer's V=0.24).子どもの年齢については,推測して回答したものも含め,平均12.04(SD 2.94)歳であった(n=46).ヤングケアラーと感じた子どもについて,対応と他機関との連携については,いずれも「養護」の方(対応:42.9%/連携:34.3%)が,「民生」「主任」の合わせた回答(対応:4.2%/連携:8.9%)より,「あり」が多い結果となった.【結論】役割分担によって,より連携することが不可欠である.