一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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養護教諭,保健室3(OP-0810~0814)

荒川雅子(東京学芸大学)

[OP-0813] 臨床判断力を養うシミュレーション教育の効果-学生からみた反復学習の評価-

小川真由子1, 福田博美2, 藤井紀子3 (1.鈴鹿大学 こども教育学部 こども教育学科, 2.愛知教育大学, 3.愛知教育大学非常勤講師)

【目的】本研究の目的は,シミュレーション教育を反復学習することで,学生にどのような教育効果をもたらすのかを明らかにすることである.【研究方法】2021年6月に養護教諭学生2年生を対象に,高機能患者シミュレータを用いて食物アレルギー対応のシミュレーション教育を実施した.1回目の1週間後に2回目のシミュレーションを実施し,その後プログラム評価に関する質問紙調査とフォーカスグループインタビューを行った.【結果・考察】質問紙調査より,今回の事例におけるシミュレーションプログラムに関して,「非常に当てはまる」と回答した項目の高い順に「グループで考えながら演習に臨むことで学びが深まった」,「臨床判断力をさらに高めたいと思った」,「実践的な対応力をさらに高めたいと思った」などが挙げられ,他項目でも概ね肯定的な評価が得られた.また,フォーカスグループインタビューでは,反復学習することのメリットについて,「できたこと,できなかったことが明確になる」,「冷静に判断し的確な対応ができるようになる」「前回の反省点を活かす体験ができる」といった意見があった.一方,デメリットについては,「事例に慣れて緊張感がなくなってしまう」,「違う症状の対応が難しくなる可能性がある」といった意見があった.今回の調査で,反復学習におけるデメリットを考慮したプログラムの再構築の必要性が示唆された.【付記】本研究は,JSPS科研費JP18K02842および20K10773の助成を受けたものである.