一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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学校保健組織活動,関係職員(OP-0901~0905)

物部博文(横浜国立大学)

[OP-0901] 委員会活動を通して子どもの育ちを支える養護教諭の支援の在り方

新開奏恵1, 増本由紀子2 (1.宇部フロンティア大学 人間健康学部 看護学科, 2.広島大学大学院 医系科学研究科)

【目的】保健委員会活動の事例から,児童生徒が自主的・実践的に取組む資質・能力を育成するための養護教諭の支援の在り方を検討する.【方法】A市養護教諭56名を対象者とし,無記名自記筆式の質問紙調査を行った(2018年8月から9月).内容は,基本的属性,委員会児童生徒の変容及び変容につながった養護教諭の支援内容,学校全体の変容について等で構成した.分析方法は,養護教諭の支援事例の記述内容から,児童生徒の変容と養護教諭の支援を抽出し,コード化したものを意味内容の類似性に従ってカテゴリー化し,質的帰納的に検討した.【結果】17名(回収率30.4%)から回答を得た.養護教諭の所属は小学校12名(70.6%),中学校5名(29.4%)である.委員会の活動内容は,常時活動17名(100%),掲示物の作成13名(76.5%),集会での発表11名(64.7%)等であった.委員会活動における児童生徒の変容につながった養護教諭の支援があると回答した養護教諭は10名(58.8%)であり,14事例が得られた.子どもの変容につながる支援は【子ども一人ひとりに合わせた関わりを行う】【委員会活動を通して学校保健活動を展開する】【活動をスムーズに行うための段取りをする】【リーダーを育てる】【子ども自身が決めた活動を行う】【活動の意欲が継続するための声かけを行う】【認め合う集団づくりを行う】【他者との関わりをもたせる】等に分類された.【考察】委員会活動における養護教諭の支援は,子どもの発達と成長に必要な資質と能力の育成につながることが期待された.