一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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メンタルヘルス1(OP-1001~1004)

鈴江毅(静岡大学)

[OP-1001] 思春期の子どものソーシャルメディア利用と精神的不調に関するシステマティックレビュー

本多正理佳, 東郷史治 (東京大学大学院 教育学研究科 身体教育学コース)

【背景】急速なデジタルデバイスの普及に伴い,思春期でのオンライン上の交流と精神的健康への影響の検討が求められている.成人を対象とした先行研究では,ソーシャルメディアの受動的な利用(以下PU)は精神的不調と関連が,能動的な利用(以下AU)は精神的不調の減少との関連が見られている.【目的】本研究では,思春期におけるソーシャルメディアの利用方法と精神的不調との関係を検討した論文をレビューし,両者の関係性の結果を検討する.【方法】検索エンジンPubMedを用いて,以下のキーワード検索をする:adolescen* AND (“mental health” OR depression OR anxiety) AND (“smartphone use” OR “social media”) AND (passive OR active).さらに,対象者が思春期の子どもであること,ソーシャルメディアの利用に関すること,特定の疾患がある対象者でないこと,の条件下で論文を選択した.【結果】上記の検索で193件の論文がヒットし,その中から4件を採択した.そのうちPU,AUの両方を検討した論文は2件,どちらかのみについて検討した論文はそれぞれ1件ずつだった.また,縦断的研究は1件のみだった.横断研究ではPUと精神的不調との関連,AUと精神的不調の減少との関連がわずかに見られ,縦断研究ではAUと抑うつ症状との関係の少なさが示された.【考察】全体として従来の先行研究と同様の結果が見られたが,尺度に一貫性が見られず,相関も弱く出ていた.【倫理的配慮】すでに報告された論文のレビューであるため,特に必要なし.