[OP-1009] 大学新入生における入学後のストレス反応とセルフエスティーム,レジリエンス,社会的スキルの関係について
【諸言】大学に入学した新入生にとって,入学後の数か月は様々な環境が大きく変わる時期にあたる.しかし,入学後の生活において学生がどの様に過ごし,感じているかを報告した研究は少ない.そこで今回は入学後のストレス反応に着目し,調査を行った.【方法】大学1年生66名を対象とする質問紙調査を行った.調査は計2回(4月上旬,5月下旬)行った.調査内容はストレス反応,セルフエスティーム(以下,SE),レジリエンス,社会的スキルに関する質問の計67問で構成した.結果から平均値を算出し,1回目のストレス反応の平均値を基準に2群(ストレス高値群,ストレス低値群)に分け,t検定による比較を行った.またストレス反応を目的変数,SE,レジリエンス,社会的スキルを説明変数として重回帰分析を行った.有意水準は5%未満とした.【結果】ストレス反応ではストレス高値群は2回目においても低値群と比べ有意に高い値を示した.また,ストレス高値群は1回目のSE,レジリエンス,社会的スキルについて有意に高値を示し,2回目ではSE,レジリエンスについて有意に高値を示した.重回帰分析では1回目の調査ではストレス反応とSEに相関が見られ,2回目の調査ではストレス反応とSE,レジリエンスに相関が見られた.このことから入学直後に高ストレスの者はそうでない者と比べ入学後1~2か月経過しても有意にストレスを感じている事,またその要因として入学直後はSEが,1~2か月後にはSEとレジリエンスが影響する可能性が示唆された.