The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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メンタルヘルス3(OP-1009~1013)

佐々木司(東京大学)

[OP-1011] 教師のメンタルへルス支援の現状と課題-教師およびメンタルへルス支援従事者へのアンケート調査-

服部紀代 (立命館大学大学院 人間科学研究科 博士課程後期課程2年)

【目的】本研究は教師の心身の健康管理に支援および体制に注目し,学校や教師の特徴に基づいたメンタルへルス対策の検討を目的とし,学校の労働安全衛生体制の実態および学校の組織特徴の把握のためアンケート調査を行った.【方法】2021年6~7月に教師およびメンタルヘルス支援従事者の44名に対し,メンタルヘルス支援に関するアンケート調査を行った(有効回答率100%).質問項目は個人のライフスタイルや就業先の産業保健体制,さらにメンタルヘルスマネジメントに「個人のライフスタイル」「仕事・職場」「産業保健体制」が影響を与えるか否かについて,「全くそう思わない」「あまりそう思わない」「どちらでもない」「まあそう思う」「強くそう思う」の5件法で回答を依頼した.倫理的配慮は調査の匿名性,個人情報の取扱いへの十分な配慮,結果使用は学術的目的のみと依頼文書に記載し,質問紙に結果使用の同意欄を設けた.【結果】教師自身の産業保健体制に対する知識や認識は不十分であり,特に「ラインによるケアの実施」では「実施していない」43%,「分からない」47%と顕著であった.またメンタルヘルスマネジメントへの影響に関する5件法の回答の合計得点の平均値を比較した結果,「労働安全衛生管理体制」の平均値は他の二つのカテゴリーよりも低値であった.【考察】教師のメンタルヘルス支援では,学校全体のメンタルヘルスに関する知識や意識の向上,さらに学校や教師の特徴に沿った組織的な取組みが必要である.