The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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特別支援教育/インクルーシブ教育(OP-1101~1105)

鎌塚優子(静岡大学)

[OP-1102] ハイリスク児への支援のあり方―フィンランドにおける子どもネウボラの状況から―

松原紀子 (人間環境大学看護学部看護学科)

【目的】近年,子ども達の健康課題の一つに,虐待,発達障がい児などハイリスク児への支援がある.そこで,切れ目ない支援モデルであるフィンランドの子どもネウボラの状況を明らかにし,我が国の支援のあり方を考察することを目的とした.【方法】フィンランドの保育園で,職員4名を対象として,インタビュー調査を実施した.調査項目は,保育システム,保育内容,子どもへの支援の状況等であった.インタビュー調査から得られたデータは,内容分析を行い,カテゴリー化した.なお,ネウボラとは,フィンランドの「妊娠期から切れ目ない」の子育て支援施設である.また,子どもネウボラとは,乳幼児の発達発育を支援する場所である.【結果】ハイリスク児への支援状況は,コード数31であり,8サブカテゴリーを経て,最終的に,【ネウボラと相互連携した4歳児を核とした子ども支援】,【ハイリスク児へのダブルチェックと個別的な専門家の対応】,【ハイリスク児の切れ目ない連携】という,3カテゴリーが抽出された.【結論】フィンランドの子どもネウボラは,4歳児を核とし,ハイリスク児を注視したシステムの状況であった.子ども支援は,ハイリスク児に対して,保育園や学校とネウボラのダブルチェックを行い,保育園や小学校から情報をネウボラに渡し,ネウボラは,それを受けて回答するという相互連携を行い,一貫してネウボラを通じて行われていることが明らかになった.今後,我が国では,一貫した支援システムの構築が求められる.