一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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特別支援教育/インクルーシブ教育(OP-1101~1105)

鎌塚優子(静岡大学)

[OP-1105] 高大連携に着目したキャリア形成プログラムに関する一考察」ー特別支援高等学校におけるフィールドワークの実践的検証ー

八木利津子1, 小川須美江2 (1.桃山学院教育大学 人間教育学部 人間教育学科, 2.京都女子大学大学院(きょうとじょしだいがくだいがくいん))

【目的】大学生のキャリア形成に関わる高等教育プログラムの開発に向けて,特別支援学校に在籍する高校生との交流活動を通じて効果的な支援体制づくりを検証する.【方法】教員志望の大学生20名を対象に授業実践前後に自記式質問紙調査を行い,キャリア形成を意図した授業「フィールドワーク」についてキャリアアンカー理論から『動機・欲求』『才能・能力』『価値・態度』の構成要素に基づきカテゴリー化し,テキストマイニング法を用いて授業実践前後の大学生の思考の変化の有無などを考察した.【結果】“自己肯定感” “充実感” “将来志向性”について有用性が明らかに示唆された.主に“自己肯定感”では,教員として取組のイメージが形成され「成功体験を積むや自ら考える時間をつくる」「グループワークを取り入れる」「話し合い」「人と協力できる環境づくり」など具体的なビジョンがうかがえる思考傾向に変化した.“将来志向性”においては,「地域社会の交流」や「共生社会の今後の在り方」「対人における考えや発見」のサブカテゴリーに分けられた.【考察】活動前は障害について知ることを重視する傾向にあるが,活動後は,挨拶をする生徒の姿勢や懸命に生きる生徒の姿を目の当たりにした学びが多岐に述べられ,障害のある人との接し方について言及している.これらの意見から,学生が考えるキャリア教育は自分探しの手助けとなる認識とキャリア形成を具現化していく上で課題がみえるという認識を併せ持つとわかり今後の方策に期待できる.