The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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安全,危機管理1(OP-1401~1405)

渡邉正樹(東京学芸大学)

[OP-1401] 学校で経験した危機の実態とその検討 ー学校保健関係者を対象とした調査からー

浅田知恵1, 森千鶴3, 秋山志津子2 (1.愛知教育大学 教育学部 教育科学系 養護教育講座, 2.名古屋市立猪子石小学校, 3.愛知教育大学 非常勤講師)

 学校においては,子どもの安全を脅かす危機を予測し未然に防止するリスクマネジメントとともに,事件・事故が発生した場合に最小限の被害に抑え,適切かつ迅速に対処する危機管理が必要である.そこで,養護教諭や保健主事等の学校保健関係者が学校で経験した危機の実態を調査し,学校保健・学校安全の視点から危機管理の課題について検討することを目的とした. 2019年に研修会に参加した保健主事及び養護教諭を対象に,無記名自記式質問紙による調査を行った.倫理的配慮として,調査目的等についての口頭での説明と調査用紙への記載を行い,調査用紙の提出をもって同意が得られたものとした.全質問事項に不備なく回答された質問紙を有効回答(有効回答数157名)として集計・分析の対象とした.調査内容は,基本的属性の項目,上地(2003)を参考に「これまでに学校で経験した危機」の25項目,危機対応に関する研修,対応が困難だった危機事例の概要等とした. 調査の結果,学校レベルの危機として「救急車を要請した学校事故」は80%以上が経験し,次いで「いじめ」64.3%,「学級崩壊」47.8%であった.個人レベルの危機では「不登校」が最も多く85.4%,「児童虐待」79.0%であった.個人レベルの危機では「自殺・自殺企図」,「児童生徒の死」は3~4人に一人の割合で経験していた. 結果の詳細,検討内容等については,当日報告する.