The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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安全,危機管理2(OP-1406~1409)

内山有子(東洋大学)

[OP-1406] 教員から見たスクールバス通学が児童生徒,教員,地域に及ぼす影響

齋藤千景1, 竹鼻ゆかり2, 伊藤秀樹3, 朝倉隆司2, 青柳直子4, 北澤武5, 城所哲宏6, 中西唯公7, 涌井佐和子7 (1.埼玉大学 教育学部 学校保健学講座, 2.東京学芸大学 芸術スポーツ科学系 養護教育講座, 3.東京学芸大学 教育学講座, 4.茨木大学 教育学部, 5.東京学芸大学大学院 教育学研究科 教育実践創成講座, 6.日本体育大学 体育学部, 7.順天堂大学 スポーツ健康科学部 大学院スポーツ健康科学研究科)

【背景】近年,学校の統廃合に伴い,スクールバスの導入が進められている.スクールバス通学のメリットとしては通学路の安全確保がある.しかし,児童生徒の学校生活を保障し,心身の健康を保持増進するためには,スクールバス通学による影響を多面的に捉える必要がある.【目的】目的はスクールバス通学が児童生徒,教員,地域に及ぼす影響を明らかにすることであった.【方法】令和2年1月に,スクールバスを利用している12校の管理職を対象にインタビュー調査を行った.分析はインタビュー記録から内容をコードとして抽出したのちに,類似のコードをサブカテゴリー,さらにカテゴリーとして抽象度を高めて分類した.【結果】スクールバス通学は,児童生徒の生活,学校や教員,地域に影響を与えていた.児童生徒への影響は【活動性の向上】【安全の確保】【地域の大人との交流の機会】というプラスの影響と【バスに合わせた生活の調整】【健康・体力への懸念】【バスでの対人関係上の問題】のマイナスの影響であった.教員への影響は【教育的な取り組み】【児童生徒の健康・安全のための管理】【バス運行のための判断と連絡調整】であった.地域のへの影響は【学校が存続することによる地域活性の意識化】【生活基盤の充実】であった.【結論】スクールバス通学は児童生徒,学校,地域にプラスの影響をもたらしている一方で,学校の統廃合のみの視点でなく,地域の活性化やコミュニティ意識への影響を考慮した議論を深める必要性も示唆された.