The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-67~O-71 国際学校保健

座長:面澤 和子(弘前大学(名誉教授))

[O-70] 教員養成機関におけるESD推進のための「栄養不良の二重負荷」に関する授業研究の成果と課題

友川 幸1,2, 城川 美佳2,3, 清水 真理4 (1.信州大学 教育学部, 2.国際学校保健コンソーシアム, 3.神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉研究科, 4.帝京大学大学院公衆衛生学研究科)

Keywords:ESD、栄養不良の二重負荷、教員養成

目的
学校でのESD普及のためには、教員養成機関におけるESD推進の必要がある。栄養不良の二重負荷とは、低栄養と過栄養が同時に見られる状態のことであり、地球規模の課題となっている。しかし、教員養成機関の学生を対象とした授業研究の事例は十分でなく、その効果や課題も明らかにされていない。そこで、教員養成機関の学生を対象として、栄養不良の二重負荷(肥満と痩せ)についての授業研究のための教材を開発・実践し、その成果と課題を明らかにすることを目的とした。

方法
地方国立大学の教育学部で保健体育教員免許の取得を目指す1年生(13名)を対象として、教材を開発・実践した。授業前後にオンライン調査を行い、授業内容の理解や意識、指導に関する自信や認識、授業の良いところと課題等について回答を得た。授業では、肥満及び痩せが健康に与える影響、BMIの計算方法、肥満や痩せが生じる理由とその予防方法等を指導した。

結果
授業実施前では、肥満が与える健康影響について、8割以上の学生が正しい知識を有していたが、痩せについては、3割であった。実施後では、痩せの影響やBMIの理解、指導の必要性や自信が高まった。自由記述では、「痩せも肥満も良くないことが分かった」ことが確認され、課題としては、「意見の共有や話し合いの機会の提供」、「痩せの原因に対する説明の追加」等が挙げられた。

結論
開発した教材は、教員養成機関におけるESD推進及び「栄養不良の二重負荷」の指導に効果的であることが示唆された。