The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-11~O-14 性、ジェンダー2

座長:笠井 直美(新潟大学)

[O-12] LGBTを自認する若者における心理ストレスの規定要因に関する研究

田中 滉至1, 山田 浩平2 (1.九州共立大学 スポーツ学部, 2.愛知教育大学 教育学部)

Keywords:セクシュアル・マイノリティ、メンタルヘルス、

【目的】セクシュアル・マイノリティを自認する若者の心理的ストレスは、学校保健における重要な課題である。そこで、本研究では、LGBTを自認する若者の心理的ストレスの規定要因について検討する。【方法】本研究は、二次分析である。東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブから「niji VOICE 2018」、「niji VOICE 2019」、「niji VOICE 2020」の3つのデータ提供を受けた。データの収集はインターネットを通じて行われ、様々な年代の者が回答した。使用する変数は、年齢などの基本的属性、心理的ストレス(K6)、主観的な健康、社会的孤立、カミングアウトの経験や相手などである。なお、本研究においては、「24歳以下で学校に通っている者」を「若者」と定義し、そのなかでLGBTのいずれかを自認する者のみを分析対象とした。【結果】分析対象者の内訳は、レズビアン21名、ゲイ28名、バイセクシュアル95名、トランスジェンダー158名の合計302名である。そのうち、心理的ストレスにおいて、重度精神障害のカットオフ値を超えた者の割合は、それぞれ52.4%、25.0%、20.2%、36.3%であった。さらに、心理的ストレスを従属変数とした重回帰分析の結果からは、主観的な健康や社会的孤立が相対的に心理ストレスとの関連が強いことが示唆された。【結論】多くの先行研究と同様に、日本においてもLGBTを自認する若者の心理的なストレスの現状は改善の余地がある。