The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-32~O-37 養護教諭、保健室

座長:池添 志乃(高知県立大学)

[O-35] ケースメソッド教育を活用した感染症対策を学ぶための教材の開発-養護教諭養成教育におけるCOVID-19のケースを用いた授業の試み-

齋藤 千景1, 竹鼻 ゆかり2, 山城 綾子3, 三森 寧子4 (1.埼玉大学 教育学部, 2.東京学芸大学, 3.多摩市立和田中学校, 4.千葉大学 教育学部)

Keywords:養護教諭養成、感染症対策、教材開発

【目的】養護教諭養成教育において、新型コロナウイルス感染症対策を題材として、感染症対策を危機管理の視点で総合的かつ実践的に学ぶためのケース教材を開発し、実践し、評価することを目的とした。【方法】ケース教材を作成し、ケースメソッド教育方法を活用した授業を、養護教諭養成課程の大学生75名に実施した。授業目標は感染症対策を危機管理として捉え、組織として取り組むことの重要性を理解したうえで、養護教諭がチームの中で果たすべき役割を考えることができるとした。ケース教材の評価のために、授業後に学生にアンケート調査を実施した。内容は授業の満足度、授業目標の達成度、ディスカッションへの参加状況、問題解決思考、今後の活用可能性、授業での学びとした。【結果】アンケートの結果は全ての項目の平均が5点満点中、4点以上であった。自由記述による学生の学びは「感染症対策を危機管理の視点で捉えることの重要性」「感染症対策をチームで行うこと重要性」「先を見据えた対応の大切さ」「日頃から協力体制を構築しておくことの大切さ」「子供に起きている事象を多角的に観る必要性」であった。【結論】本ケース教材は学校における感染症対策を総合的かつ実践的に学ぶために有効であることが示された。学生に当事者意識を持たせること、教育目標に沿った多角的な視点を盛り込んだケースを用いること、ディスカッションで学びを共有する機会を作ることで、学生は感染症対策を総合的かつ実践的に学ぶことができる可能性が示された。