The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-32~O-37 養護教諭、保健室

座長:池添 志乃(高知県立大学)

[O-36] 小学校に勤務する養護教諭のヤングケアラーへの関わりと支援の実態

辻 京子1, 西岡 かおり2, 中岡 泰子2 (1.香川大学 医学部 看護学科, 2.四国大学 生活科学部 人間生活科学科)

Keywords:ヤングケアラー、小学校養護教諭、ヤングケアラー支援

【目的】ヤングケアラー(以下、YC)の存在が社会的に注目され、学校においてもYCへの認知が高まり、支援について検討が行われつつある。学校の中で養護教諭は、子ども達の心身の健康の支援(ケア)と教育の両面から関わることができる唯一の教員である。そこで、本研究では、小学校養護教諭のYCへの関わり方や支援の実態について明らかにすることを目的とした。【方法】中四国5県の公立小学校1,124校に勤務する養護教諭に、2022年3月15日~31日の間にwebアンケート調査を実施した。調査内容は、基本属性、自由記載によるYCの把握、支援の工夫点と困難点である。【結果】124件の回答を得た(回収率11.0%)。養護教諭は、日常的に意図的に児童と関わり、些細な変化に気づけるよう家庭状況や困り事を丁寧に聴き、児童が安心して過ごせる環境を作っていた。また。担任教諭と情報共有を密にし、児童の健康上の課題が生じる前に保護者と話し合いができるよう学校組織として対応するようにしていた。一方で、児童自身の状況がYCであるという自覚がないことや家庭内のことを教員にあまり話さないことに実態把握の困難さを感じていた。併せて、児童が担っている家庭内ケア役割の程度や家庭状況が把握しづらく、家庭内に介入すること自体に困難感を抱いていた。【結論】YCの児童が置かれた状況を改善するためには、一時的な支援ではなく継続的な支援と教員やSSW・SC等の校内関係者が地域の専門機関や専門職と連携した包括的な支援が必要である。