The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-44~O-49 メンタルヘルス2

座長:鈴江 毅(静岡大学)

[O-44] 小学校入学時における子どもの心身の不調と学校不適応―保護者対象のWeb調査を用いた関連要因の検討―

伊藤 秀樹 (東京学芸大学 教育学講座)

Keywords:小1プロブレム、教育格差、学校不適応

【目的】本研究の目的は、幼児教育から小学校への移行期において、どのような子どもが心身の不調や学校不適応の問題に直面しやすいのかについて明らかにすることにある。
【方法】小学校1年生の子どもがいる首都圏・京阪神在住の保護者2,100名に実施したWeb調査の分析を行う。本調査は、2021年5月に調査会社(楽天インサイト)に登録されている調査モニターを対象に実施された。質問項目は、保護者の属性(性別・居住地・収入・学歴)、子どもの属性(性別・長子か否か)、子どもの様子、保護者の子どもとの関わり、担任教師の印象などの項目で構成されている。
【結果】重回帰分析を行ったところ、保護者の社会経済的地位(収入・学歴)と子どもの心身の不調・学校不適応との間には有意な関連が示されなかった。一方で、保護者の子どもへの関わり方として「コミュニケーションと受容」と「規則正しい生活」、担任教師の印象として「受容的雰囲気」が、子どもの心身の不調や学校不適応との間に有意な負の関連をもつことが確認できた。
【結論】保護者と子どものコミュニケーションが密でないこと、家庭での生活リズムが乱れていること、担任教師が子どもに受容的態度で接していないことが、子どもの心身の不調や学校不適応につながりうることが示唆された。今後の課題としては、保護者や担任教師によるこうした適切なかかわりを困難にさせるような社会的要因について検討することが挙げられる。