[O-46] 不登校経験者の社会参加
Keywords:不登校経験者、社会参加、インタビュー
【目的】不登校児童生徒の支援として,これまでに学校では家庭訪問や保健室登校・別室登校,施策では教育支援センター,スクールカウンセラーの配置が行われてきた.しかし不登校経験者が学校という環境を出た後の状況はどうなのだろうか.本研究の目的は,不登校後の支援方法について当事者の立場から検証し,社会参加に結びつく効果的アプローチを導き出すことである.【方法】2009~2014年に研究代表者(養護教諭)が対応した「不登校」「不登校傾向」の元児童生徒3名(20~23歳)に,幼少時~現在までの経過を振り返ってもらい,記憶に残るエピソードやその時の気持ちを思い出しながら語ってもらった.そして,インタビュー内容をケースごとに不登校前,不登校時,不登校後,将来の4つのライフステージに分けて分析を行った.【結果】その結果,不登校後間もない20歳前半の対象者では,不登校時における支援は手厚かったが,学校という環境を出てしまうと急に支援は乏しくなっていた.高校卒業後すぐに就職したが早期に辞職したり,高校中退後,社会と接点が少ない対象者もいた.不登校で勉強をしていないという負い目や対人関係に対する不安のため,就職したい気持ちはあるが,就職へのハードルは高かった.【結論】不登校経験者が就職という新しい環境に適応して経済的自立をしていくためには,就職支援事業等の社会的資源と対象者をコーディネイトするきめの細かい新たな方法と人材が必要である.