The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-44~O-49 メンタルヘルス2

座長:鈴江 毅(静岡大学)

[O-48] 大学新入生の自意識と疲労感との関連性について

竹端 佑介, 後和 美朝 (大阪国際大学 人間科学部 人間健康科学科)

Keywords:大学新入生、自意識、疲労感

【目的】
中・高校生では対人不安が高まるとの指摘があるが(堀井,2002),自分自身に注意を向け意識された自意識のうち,公的自意識は対人不安と関連するという(菅原,1984)。また,極端な自意識の高さは疲労感の蓄積を増やすだけでなく,健康面にも影響を及ぼすことが考えられる。そこで,本研究では高等学校を卒業して間もない大学新入生を対象に自意識と疲労感との関連性について検討を試みた。【方法】
大学新入生97名(男性56名,女性41名;平均年齢18.4±0.5歳)を対象に,自意識は「自意識尺度短縮版」(鈴木,2020)10項目(7件法)2因子を,疲労感では「青年用疲労自覚症状尺度」(出村他,2001)24項目(7件法)6因子を用いた。【結果・考察】
大学新入生の自意識について,私的自意識と公的自意識とも性差はみられなかった。その一方,疲労感では,“活力低下”“ねむけ”“身体違和感”において女性の得点が有意に高くなり(p <0.05),女性は男性に比べて疲労感を認識しやすいことが示唆された。
さらに,私的・公的自意識の平均得点から4グループ(私的・公的×高・低)に分けて,疲労感の違いを検討したところ,私的・公的自意識が共に高くなるグループの方が,共に低くなるグループに比べて5つの疲労感の因子が有意に高くなった(p <0.05)。このことから,極端な自意識の高さは,疲労感を蓄積をさせる可能性があり,大学入学当初から過剰な自意識により対人不安を抱え,疲労感を感じている者がいることが示唆された。